● 「仄暗い水の底から」コメント
(ネタバレちょっとあります) /
2002.1.23▲
今まで観てきた映画の中で、一番怖いと思った映画は「女優霊」です。
そんな自分なもんですから、同じ監督による作品、「仄暗い水の底から」はかなり期待度も高く、しかしながら過剰な期待で自らを裏切らせない程度に楽しみにしておりました。
さすが仄暗い『水』とあるだけにCMでも水、水、水のオンパレード。郁ちゃんが歯を磨こうと蛇口をひねると、コップに髪の毛が出てくるところなどはフツーにびっくりするし、女の子の赤いバッグが濁った水の中へ落ちるシーンなどはその「児童バッグ」「水」「落ちる」という記号だけで身の気がよだつ思いです。信じられない人は明日バスタブに絵の具水でも張って、その中にあらかじめ買ってきておいた児童バッグ(赤が望ましい)を投げ込んでみるがいいです。ただしかし、郁ちゃんが座り込んだ目の前のエレベーターから大量の水が溢れてくるシーンなどは、ホラーというよりこれはドリフであって、今にも「ホヮホヮホヮ〜」といった気の抜けるドリフのオチ音が聞こえてくるようで、なんつーか笑えてしょうがない。実は映画「仄暗い水の底から」は、このシーンたった一つで全てがコントになりやしないか不安でしようがなかった作品なのです。嘘。
さて、私がなぜ「仄暗い水の底から」を観よう、しかも封切り初日初回鑑賞という「躍る大捜査線THE MOVIE」以来のヤル気を見せたかと言うと、もうこのページに飛んでいただいた方で分からない方がどうかと思うのですが、「スガシカオ」その人が原因にあります。デビュー五年。自分がこんな人がいるんだと知って四年。スガだったら何でもイイ!!になって三年。意外に長い間、おはようからおやすみまでスガシカオを見つめてきた私ですが、まさかホラー映画の主題歌やって、そのためだけに観に行くとはなぁ。四年前じゃ考えもしなかったよ。そんな私も今じゃ爛れたオーガスタっ子として、どこに出しても恥ずかしい人生を送っております。恥ずかしいんか!
映画は本編が始まる前に、最初に配給会社とか制作会社とかのクレジットが出るんですが、「仄暗い水の底から」の場合、黒バックに同一書体で制作委員会の会社名を連記というよくあるパターンでした。オーガスタっ子はここに「オフィスオーガスタ」の文字が出るだけで500円分の価値を得ますが、さらにその名前の長さが功を奏して…何せ他の会社がオズ・バップ・日活なもんですから、目立ちまくってます。新聞のラ・テ欄や「いいとも!」で花に刺されている札における「ユースケ・サンタマリア」と同じです。てゆーか、いいともテレホンでのあのやり取りは、このことを示唆していたのか!ターさんやってくれます。スガファンにとどまらずオーガスタっ子までカバーするとは、さすが日本で一番有名なすきっ歯だけはありますな。価値も300円上乗せです。
そんなこんなでスガシカオ・オフィスオーガスタ・タモリが三位一体でわき腹にブローを仕掛けてくる「仄暗い水の底から」。これが面白くないわけがありません。まずもってして素晴らしいのは母親が黒木瞳です。こんなキレーなかーちゃんですよ!?しかも10年経ってもさっぱり歳とってないんスよ!?これで800円くらい払ったってイイ。私だったら産まれて即マザコン決定、その後の人生は絶対悪い事しないか、悪い事しまくるかのどちらかです。まぁ何しまくっても五歳でお別れなんですが。
ドラマは言うまでもなく素晴らしく、まさにあのドリフのシーンがドリフと同じカメラワークで撮られているにもかかわらず、ホラーになっているところなどは特筆ものです。いや、ホラーにならないドリフもドリフか。
ホラーファンのみならず、スガファン・さらにオーガスタっ子を満足させ、一部のマザコンをも熱狂の渦に叩き込む「仄暗い水の底から」。この三者(もしくは四者)の心を同時に満たせる映画など、これ以外にありえません。
「仄暗い水の底から」に出会えてよかった。そういうわけで、また明日から仄暗い水の底で妄想にふけりたいと思います。アディオス!
なんつーか、テーマがイイですね。母と子。それぞれがそれぞれを強く想い合っている構図が泣けてきます。スンゴイことになってた美津子ちゃんも、淑美を殺そうとする感じが薄かったのは、自分のいる世界に連れて行きたいのもあるけれど、それより先に甘えたいという感情が先立っている風にも見えて、より「生身」な感じがした。あと、本当に黒木さんは、莉央ちゃん(郁ちゃん)が愛しかっただろうねぇ。
「青空」についてですが、結構そのままのようでいて、そのままでもない。映画を意識して作っているけれど、映画のためにだけは作ってないって感じです。多分、映画が出来ていなくて、脚本を読んだスガ本人のイマジネーションで製作したのもあると思うけれど。出来た映画を見てから作ったら、もうちょっと映画寄りになったのではないかなぁと思う。私は今くらいの距離感がちょうどイイですけど。あと2コーラス目の歌詞が好きかな。